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【D&D】『病魔の坑道』再び:5(了…?)

* * *
「……ああ、なるほど(≡ω≡.)」

 1年前に見たままの落とし穴、そしてその先に広がる暗がり。

「あの先に熊がいるんだねー……よし」

 コナタは、落とし穴の上に渡された新しい板の橋を半分まで渡り、そこで聞いた。

 熊の唸り声を。


「ヤバイ!気づかれてる!(>ω<.;)」
「何ッ」
「下がれコナタ、俺が出る!!」

 橋から飛び退るコナタと入れ違いに、橋を駆け渡ろうとする“コーラー”。がしかし。

 板は、ぐらりと横転した。

「な、なにッ?!」

――罠かよ!!
――コナタ、そこまで行かなかったですからね。反応STどうぞ。

――1

「ぬおっ?!」

 “コーラー”の足が互いに絡まり、つまづき、

――だあっ、《幸運》の領域効果!

「コードよ、ご加護を!!」

――振りなおしですか。どうぞ。

――2

 今日のコードは結構しぶちんだった。勢い良く回転する板の縁が、“コーラー”の脛を強かに打つ。といっても、脚絆に守られた彼の足を傷つけることはなかったが。

「ハイローニアスよ!ヤツをお助けください!!」

――そこで《宿命》の領域効果!!

――4

――うわあー、こんなに振りなおしを無駄にするひとはじめてー
――コードがっ!ハイローニアスがっ!天が我を見放したっ!!
――あー、でもそれだとギリギリ届きますね。

「……っあー、痛てぇ!!」

 板に蹴り上げられた足が、彼の意を越えて脚をおおきく広げさせ、そして穴の縁に片足を――そして宙にあった板を蹴った勢いでもう片方の足が、無事に落とし穴の向こう岸に着地した。
 そのままたたらを踏む“コーラー”。直後、板は穴の壁のあちこちにぶつかり、ひどい音を出しながら底まで落ちていった。

――現状確認ー。穴の手前のひとー
――はーい
――はーい
――穴のむこうのひとー
――押ー忍。
――穴ー
――橋が落ちましたー。

「いかん、“コーラー”が孤立した!」
「まかせて!こんなときのために持ってきたんだから!\(ⅡωⅡ.)/」

 コナタが、傍らに投げ出していた梯子を穴の上に滑らせた。梯子の長さ、10フィート!

――現状確認ーん。穴の大きさはー?
――10フィートー。
――……。
――………。
――…………届かないじゃん!!

――まあ、待て待て。公平に、全員の意見を取ろう。幅10フィートの裂け目がある。そこに長さ10フィートの梯子をかけることができるかどうか、だな?
――落ちるよな。
――落ちるよね。
――落ちるな。
――落ちるねえ。

 満場一致で、梯子は穴の中に落ちていった。板の上に突き立つ梯子。そのままゆっくりと、穴の壁に寄りかかる。根元の板が軋るようないやな音を立てた。

「……あれ?(≡ω≡.)ゞ」
「あれ、じゃねえええええ!!」

 棘鎖を構える“コーラー”の前に、ぬう、と熊は現れた。鼻息は荒く、胸元は血で赤く、そして牙は黄ばんだ表面をあわ立つ涎で鈍く輝かせていた。

「くっ、今行く!」

 一度駆け戻り、助走距離を持って穴を飛び越えんとするクロウ、

「あたしも!」

 その場から大きく跳躍をするコナタ。

「お前たち!!」

――1
――2

「あ、あれええええぇぇぇ? \(≡▽≡.)/」
「のおおおおお!!!」

 二人は、そのまま穴に落ちていった。

――あれええええ?
――ヤバイ、超死ぬ!

 が、激突音は一つ。

「し、しびれるっ……」
「ふいー、梯子があって助かっちゃったー|\(≡▽≡.)」

 穴の底まで落下したクロウと対照的に、コナタは、咄嗟に梯子のてっぺんを掴み、それ以上の落下を免れたのだ。

 一方その頃。

「来いやああ!!」

 鋭い爪で、“コーラー”を薙ぎ払う大熊。鎧の下で脇腹の肉は裂け、熱い血がじわりと胴衣を濡らす。次の瞬間には、熊は立ち上がり、全力攻撃を繰り出してくるに違いない!

――どうする?どうする俺?!

 選択肢1.ここで《エンラージ》。→機会攻撃が発生し、おまけに1ラウンド呪文です。
 選択肢2.穴の反対側に飛び移る。→多分、熊は飛び越えて追ってきます。
 選択肢3.英雄的に、立ち向かう。→英雄的ですが、勝ち目はまずありません。

―― 選択肢3.
 ―― 選択肢3.
  ―― 選択肢3.

――ポルナレフごっこ終わり!来るならこいやあ!!!!!

「だらあああああ!!」

 “コーラー”決死の反撃。しかし。

――爪爪噛む、でつかみ強化。組みつき参ります。
――参らなくて結構!!

「のわああああ?!」

「“コーラー”!《クローズ・ウーンズ》でっ……くそ、穴の底からでは見えねえー?!」
「コラっちぃーっ!!」

 “コーラー”――呼ぶもの、と名乗った戦士。
 彼を呼ぶ朋友の悲痛な声に返答はなく。

 金属板が剛力に負け、ひしゃげ、引き裂かれる甲高い音、
 なにかが――連続的に砕けるばきぼきという乾いた音、
 スイカが爆ぜ割れるような、ばくん、とも、ぼくん、とも聞こえた鈍い音。

 そして水っぽい咀嚼音。重たい何かを暗がりに引きずって、離れていく音。

 立ち込める、鉄っぽい、嗅ぎなれた……鮮血の臭い。
 絶望と共に頭上の闇を見上げる二人の顔に、紅い、細かい霧が降る。

「うわっ、うわっ、うわああああああああ!!!!!」
「……っ!!!」

――えー、HP-9です。
――《クローズ・ウーンズ》も届きません。
――さっきの組みつき対抗判定で負けたのがなあー。《ブルズ・ストレングス》のポーション飲んでたから、出目勝負だったんだがなあー。

――今回はみんな出目に祟られましたね。

――板が罠か。やられたぜ。
――選択肢4.自ら穴に落ちる、があったんだが――せっかく渡ったのに、そのうえ落ちるのは口惜しくてなあ。
――振りなおしもムダにしちゃいますしね。

――うん、こんなバランスかなと。ちょっとPLが苦しそうなので、もうすこし調整します。ありがとうございました。

――?

――これ、DACに持っていくんですよー。

――ほ、ほう。

* * *
「誰か……だれか俺と敵討ちに行ってくれるヤツはいないか」
「*火力WizとTank大募集*\(≡ω≡.)/*当方挟撃Rog*」

 酒場の片隅、ぎらつく目で、敵討ちの仲間を募る二人。

 そこに、足を止めるものが数人。いずれも腕に覚えのありげな一癖二癖もありそうな冒険者ばかりだ。

「変わった募集かけてるねえ」
「都合何時間でおわりそうですかー?今日、これで3本目のぼうけんになるんですけどー」

「……俺たちは――そうだな、2時間くらいか」
「2時間2回で2人死んでるヨ☆」
「歯ごたえだけは保証する……ただ、仇討ちをさせてくれ――」

「よし、じゃあ『……話を聞かせてもらおうか!』」

* * * * *
DAC2008につづく!
http://dac2008.sakura.ne.jp/
* * * * *

 ゲーム後、反省会。

「死んだ死んだ」
「惜しかった」
「落ちてもよかったんだなあ、惜しい」
「決めた!俺、コーラーの遺志を継いで銀の武器買うよ!」
「そですね、もうすこし奥に引き込んでから熊と対決させてあげたいですね」
「それは優しさなのかDMよ」
「やさしいですよ?だってボス見せてあげたいじゃないですか」
「くわっ!くそう、DAC参加者の人!この非道なDMに吠え面かかせてクレヨ!」
「あー、もうひとつですねー、このワニのでてくるかんたんシナリオもDACに持って行こうとー」
「ワニかよ!(どろり)」

* * *
(おしまい)

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Comments

「『病魔の坑道』再び編」おつかれさまでした~。
このテンションとノリが楽しすぎます。
今後の冒険もがんばってください~。
追伸
①バルクさんは何処へ行ったのだろう(棒読み)
②エルフでアローナの司祭って…(ゴクリ)

Posted by: 陽樹 | September 11, 2008 04:47 PM

A①:「だって呼んでくれなかったんですもん!」「夜中の0時じゃなあ、遠慮したんだよう」
A②:「信仰呪文……うーんアルウェン、なんかオススメないッスか」「なぜ皆クレリックをやると同じ質問を俺にするのか。そしてアルウェンと呼びかけるのか」「いや俺はアルウェンに聞いているのであってですね」「経験者に聞くのが確実ですし」「強さの割りにクレリック不人気職ですから、経験者も少ない」「なるほど?」

Posted by: 飛竜/いしやま | September 13, 2008 11:15 AM

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