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【D&D】ある幽霊のつぶやき

 俺の名はアダマント・スミス。
 コイツは俺の墓。まあ中身の方はワニに食われてちょっぴりしか入ってないんだがな。
 隣が盟友たるハーフオークなローグNo.14、通称フォーティーンの墓、その向こうがNo.14と同じハーフオークでペイロアの神官だったガッターの墓。反対側はおととい顔を合わせたばかりの二人、ローグのカルマニアとソーサラーのラナの墓。

 なんでこんなに墓が並んでるのかっていうと全員1レベルだからだ。

 町の外れの古い井戸の地下水路が時々腐れ水に変わる、原因を取り除いてくれ、ってのが町長の依頼だった。こないだの畑荒らし退治のときと同じで報酬は10gp。畑荒らしの正体はアンケグとかいうデカイ虫で、ガッターはそいつに食い殺された。
 俺と14はガッターの墓を建ててやり、その足で水路の調査に行った。新しい連れはドワーフレンジャーのセイナル=ハナゲ。俺たち3人はとりあえず井戸の底まで降りてみた。

 水路は2方向に伸びており、細い歩道が併設されていた。排水口には柵がはまっていて、ごうごうと水を吸い込み続けていた。俺たちが畑荒らしを退治していた頃、こっちを調査に行った4人組とかがいたんだが帰ってこなかったという。

 さらに細い歩道のある水路方面に足跡は続いていた。俺たちはそちらに進むことにした。


 そっから地獄だった。


 クモとヘビとワニが出た。14はワニに引きずり込まれて溺死し、俺も危うく溺れ死ぬところだった。がセイナルがワニに止めを刺してくれたので、水路の底に腰を落ち着けて(!)鎧を脱ぎ、水路から這い上がることができた。もちろん息は止めっぱなしだ。水路の底には俺のじゃない鎧も落ちていたから、先の4人はここでワニに食い殺されたんだろう。

 這這の体で井戸を脱出して、14を葬り(いいやつだったのに)、今度は水底の鎧と盾を回収する作業だ。

 ハイローニアスの戦闘尼僧ハインリーケとローグのカルマニア、ソーサラーのラナが同行してくれると言う。俺は鎧を買いなおす金もないので全員に1gp支払う約束で、再度井戸にもぐりこんだ。
 先頭は下帯ひとつに剣一本、左肩にロープを担いだ裸体もりりしい俺様だ。すまん、あまりにマヌケな光景だと思うが実際そうだったんで嘘を付く気にもなれない。とにかくパンツ一丁のファイターを先頭にしてパーティは井戸へと潜入した。


 デカイネズミが3匹出た。


 HPが1になるまでかじられたり、セイナルともども病気をうつされて○ンタマ腫れ上がったりした(DEX減少)が、なんとか盾と鎧を取り戻して、ようやく真っ当に調査に取りかかれる段取りになった。

 体調が回復するのに2日かかり、日々の生活費はどんどん出て行く。ついに俺はオケラになった。この調査を片付けないと、今晩の飯にもありつけない。セイナルなんか昨日は水だけだとか言ってたな、たしか。

 またまたワニが出た。水の深みが昨日よりも酷く(水中にいる事による遮蔽ACボーナス+4が+8に上昇)、乱戦なら何とかと思っていた俺たちの士気が阻喪した。そんな深みにいるワニに剣なんか届くわけないからだ。ラナとカルマニアを逃がすため水音を立てるセイナル、撤退だけでも無事に成し遂げようと戦歌を歌い始めたハインリーケ。

 無駄だったがな。

 4ラウンド後、カルマニアが溺れ死に、俺も再び水路に引きずり落とされた。ハインリーケは足を食いちぎられて瀕死のまま(HP-4)排水溝にひっかかり、ラナはロープが登れなくてワニに食い殺されていた。
 俺は盾を捨て、再び水路から這い上がり、必死で駆け込んでワニの横腹に剣を突き立てた(<水泳><登攀><平衡感覚>成功、突撃により+2)。だが反撃もそこまでだった。二撃目で止めを刺しきれなかったがために、ワニのブっとい尻尾が俺の骨盤を粉々にした(HP0)。
 せめてもの慰めは、こうして時間を稼いだがためにセイナルは瀕死のハインリーケとともに脱出に成功したって事。

 井戸は危険すぎるってことで警邏の手によって封鎖された。

 幽霊の身は便利なもので、俺たちがなぜこんなに死体を積み上げる羽目になったのか、井戸の中をうろうろして確認してくることができた。

 「水路は2方向に伸びており」、俺たちが進んだのと別の方、そっちはわりあい広い歩道があり、若干遠回りしてはいたものの、ワニのいた上流に繋がっていた。
 最初っからこっちを使っていればワニを通路上におびき出して戦うこともカンタンだったわけだ!暗がりのせいですっかり「上流は細い通路のみ」と勘違いしていた俺たち全員のミスだった、と言えるだろう。

 パンツ一丁で戦っては見たが、彼のようにはなれなかった(http://www.capcom.co.jp/gokumakaimura/)。俺に次はないが、冒険者ってやつは幾らでも生えてくるもんだ。次のやつは巧くやれよ。

 さて、そろそろ時間だ。未練はあるが止むを得まい。さればハイローニアスよ、我は斯く戦えり。願わくば御許に行かせ給え……。

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