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【D&D】『赤い手は滅びのしるし』00・1日目 あかつき街道にて

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* * *

 エルシアの谷に入って、数日経ったころ。私は、自分の荷物に羊皮紙とペンとがあるのを思い出しました。そこで、今日から日記を書いてみようと思います。
 デノヴァー、ブリンドル、ナイモン峠、テレルトンと順に越え、私たちはドレリンの渡しという町を目指して歩いていました。

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エンゼルギア;『力の、在処』

そして徹夜明けからエンギア開始。付属シナリオを読んでいる、わかる人だけ笑ってくれれば。

ハイライト;
学生:「ひとごろし!!天使クラスの連中は人殺しだ!」
PC1:「ちがう、ぼくが殺したんじゃない(力説)」

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【迷キン】流星!超☆魔神学園!(了)

* * *
 勾配のついた通路を登っていけば、はたしてそこは『支配者』の間でした。予想外だったのは、荒れ果てていたことではなく、入り口に整然と並べられ飾られた、大量の盾と槍。そして、室内に流れる物悲しい笛の音です。

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【迷キン】躍動!超☆魔神学園!

* * *
 次の部屋は、神殿のような広間に、祭壇のような石舞台。そのまんなかに、曰くありげな古めかしい箱が安置されていました。

――あけてぇ。はやくあけてぇ。

「いま、声がしませんでしたか?」
「したな」
「したね」
「どどどどうしましょう」

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【迷キン】錯綜!超☆魔神学園!

* * *
「んんー、他のみんなはどこへいっちゃったのかなあ」
 間が開きすぎて忘れてしまいそうですが、我々の目的は只ひとつ。ここに坑道崩落で生き埋めになった炭坑夫たちの救出なのです。

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【迷キン】濁流!超☆魔神学園!

* * *
「こっ、これは!」

http://www.town.iwaizumi.iwate.jp/~ryusendo/rd_hot070918.htm

 鉱山の入り口からは水がどうどうとあふれ出ていました。

「これはひどい。まるで洪水だ。崩落って話じゃなかったっけ」
「地底湖の水があふれたとかそういうのでしょうか」
「なんとなく、メタなネタの気配を感じるのですが」
「気、気のせいですよー」

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【迷キン】暗雲!超☆魔神学園!

* * *
「まずは予算配分です!ていうか所持品の再配分が主になります!全員、必要なものとそうでないものの区別はきちんと!わかりましたね!」
「はーい」
 ダチュラ姉さんはこういうときものすごくイキイキします。あのビシバシっぷりに当てられて会計配下を希望する学生(民)も多いんですよね。

「おべんと持ってくれ」「だれか大剣いらない?」「お守りどうしよっか」「だんびら置いてっていい?」「会長は振っても当たらないでしょ」「むーっ」

「あ、そうだ。ちょっと買い物してきていいですか?」

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【迷キン】颯爽!超☆魔神学園!

* * *
 世界が迷宮に変貌してから二千余年。迷宮の片隅で、ちょっとした事件が起きました。
 ここは『超☆魔神学園』。百万迷宮に燦然と輝く(予定の)白亜の学び舎、知識の要塞(になるといいなあ)、迷宮技術の殿堂(候補地)です。

 事件は、泥まみれの坑夫の格好で走ってやってきました。

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【迷キン】出陣!超☆魔神学園!

2007年09月24日~10月28日、mixiより転載。
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# # #
福楽会オープン例会、3ヶ月連続で迷キンが立っております。

しまった!まよコマ忘れた!

『大丈夫、今回はそんなに使わないです』

おおー。では、ぞろぞろたくさん、という布陣じゃないわけだ!(ニヤリ)

『しまった!』

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『ノーストリリア』もしくは『棺』

――だれが千年のしあわせな夢をおしはかれるだろう――旅と、狩りと、ピクニック、
忘れられた人気のない都市の訪問、美しい眺めと不思議な場所の発見を。
 そして愛と、わかちあいと、そして、ふたつの別個の、はっきりした、それでいて
完全な調和をたもった人格からこだましあう、あらゆるすばらしいすてきなもののひびきを。
  (ハヤカワSF ノーストリリア より)

「……これ、使いますか」
 人の苦手な俺がこんなこと言うなんて、今思い出しても小恥ずかしくなってくる。

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『順列都市』もしくは『仮想空間計画』

# # # # #
「今日のお題は量子コンピュータだお」
「漁師こんぴゅーた?」
「うおー、おばかがいるお。きゅーたろくらいおばかならいつなんどきでも
 『じょおーさまははだか』だとカンパできるのだお。ぴーぴんぐとむだお。
 日本語でいうとデバガメだお~」
誰が出歯の亀太郎かっ。
「そういえばきゅーたろはねこのシャワーを覗いた前科があるのだお」
「今度べるののシャワーも覗いてやるよ」
「なっ…!?」
べるのが目を白黒させる。いや白蒼か。白い頬も真っ赤になって、
ああ、可愛いなーと素で思ってる自分が怖い。俺、もう戻れないんだな(遠い目)
「なんなら一緒に風呂に入ってもいい」
「……!!!」
もはや耳まで真っ赤なべるのが、絶句したままダッシュだだっこパンチ(大)で飛び込んでくる。
あああ、可愛いなーお風呂でなにされるか想像したに違いないなーはっはっはおませさんめ
ってゆーかこんな小さい娘に手をつけたのは他ならぬ俺なわけで。
「ば、ばかばかばかきゅーたろっ!なにをニヤニヤしてるのだお!
 そっこくそのすけべーな妄想をチューダンするお!謝罪とばいしょーを要求するお!」

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『発狂した宇宙』もしくは『時空監視官出動!』

「きゅーたろは、平行世界をしってるかお?」
「なんだべるの、藪から棒に」
「とーとつもとーとつにべるの教授のSF講義なんだお」
一流のデリバリストたるこの俺、市橋Q太郎の目の前でうっすい胸をえっへんと張っているのは
らびらびの同僚べるの。どっからどー見てもょぅι"ょだが、これでも青少年保護条例にはひっかからない年齢…なのか?
「おまえの方がよっぽどえすえふだっつーの」
「う?どういういみだお?」
いかんいかん、頭の中身が漏れている。夏の新船橋市は容赦なく苛烈に激烈に暑い。
昼間の疲れがまだ残っているらしい。今、満点の星空の下、風はいくらかの涼しさを運んでくれていた。
見上げる夜空は、赤道直下の水上都市新船橋に相応しく、本土とはまったく違う美しい星模様だ。
「えっへん。五島プラネタリウムとめがすたーXくらいちがうお」
「…もしかしてまた頭の中身が漏れたのか?」
「だだもれだお。きゅーたろは仕事のしすぎでおかしくなってるお。いいものを見せてやるから
 これでココロなごませるとよいのだお」
砂浜に設置された、なにやら機械仕掛けを組み込まれた反射式望遠鏡が、ひときわ輝く火星をゆっくりと
追いかけている。べるのの依頼で俺がここまで宅配したのだ。
荷物を運んでくれと頼まれれば、デリバリストQ太郎にはそれを断る術がない。
「デリバリストですから!」
「もれもれだお。きゅーたろはみみのあなにタンポンつっこんだほうがいいお。
 ひとりごとがおおい日もあんしんだお」

「まえふりがながくなったお。きゅーたろは平行世界をしってるかお?」

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【迷キン】絶対主義魔法合衆国興亡紀7(了)

* * *
 合衆国議会は、国教を天階信仰と制定し、人民がそのほかの宗教上の行為を自由に行なうことを禁止する。しかし合衆国議会は、言論または出版の自由を制限する法律、ならびに市民が平穏に集会する権利、および苦情の処理を求めて政府に対し請願する権利を侵害する法律を制定してはならない。

   ―――絶対主義魔法合衆国憲法第2条

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【迷キン】絶対主義魔法合衆国興亡紀6

* * *
 この憲法で合衆国に委任されておらず、また州に対して禁止していない権限は、それぞれの州または大統領に留保される。
   ―――絶対主義魔法合衆国憲法第10条

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【迷キン】絶対主義魔法合衆国興亡紀5

* * *
 立法権、司法権、行政権の3権は、大統領に帰属する。大統領万歳。
   ―――絶対主義魔法合衆国憲法第1条

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【迷キン】絶対主義魔法合衆国興亡紀4

* * *
 禁酒禁煙。
   ―――絶対主義魔法合衆国憲法修正第18条

 18条は廃止。18条作ったやつはバーカバーカ。
   ―――絶対主義魔法合衆国憲法修正第21条

 チューバ閣下は、修正21条を制定されたという点においても、偉大な名君と言えるだろう。
  ――民の声
 

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【迷キン】絶対主義魔法合衆国興亡紀3

* * *
 合衆国人民は魔法と武器によって武装する権利を持つ。また武装する人民は、兵役の義務を負う。国軍は、国土の防衛と拡張のために、これを常設する。
   ―――絶対主義魔法合衆国憲法第9条

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【迷キン】絶対主義魔法合衆国興亡紀2

* * *
 合衆国人民は種族・性別・門地・出身・信仰・外見その他の理由によって差別されないが、州法がこれらを区別することを妨げない。人類の敵は、この条文に値しない。
   ―――絶対主義魔法合衆国憲法修正第1条

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【迷キン】絶対主義魔法合衆国興亡紀1

2007年08月19日~09月04日mixi公開を再録。
# # # # #

 魔法合衆国の統帥は偏に合衆国大統領に委ねられる。宮廷はこれを輔弼しその責を負う。
   ―――絶対主義魔法合衆国憲法第8条

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【NHD】『恐竜王子』9(了)

2007年10月04日mixiより再録。
# # #

* * *
「きゃ~ん★なんで効かないのぉ?!」
「効いてないわけじゃありません!手数で圧しなさい!!」

 敵に回るかと思われた恐竜は、現実と同じ立ち位置……すなわち、愛されるべきぬいぐるみへと変貌し、似つかわしくない闘いの場からは姿を消した。

 だが、銀の巨人は残った。ナイトメアとして。世界に仇成す黒い鬼として。

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【NHD】『恐竜王子』8

2007年09月12日mixiより再録。
# # #

* * *
 夢。他人の夢。曖昧模糊として、前後のつながりも、時として天地さえ定かでないもの。

 しかし、レミングの夢は違う。ナイトメアの必要性に応じて、ある種の一貫性を持ち、その一貫性と言う不自然さで持ってレミングを苛む。

 夢が夢だと気がつかないほどに首尾一貫していたら、君は夢だと気がつくだろうか?それがどれだけ荒唐無稽であったとしても、映画の中の登場人物にとって、怪獣は紛れもない現実なのだ。

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【NHD】『恐竜王子』7

2007年09月03日mixiより再録。
# # #

* * *
 つらつらと語られる死んだ息子の物語。それは生者には必要のないもの。

「どうしてもこのトリケラトプスの角が見つからなくて……」

 線香をあげさせて欲しいと頼んだところ、仏壇そばに飾られていたぬいぐるみ。教室で暴れた恐竜ぬいぐるみとおなじタイプのものだった。

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【NHD】『恐竜王子』6

2007年08月27日mixiより再録。
# # #

* * *
「いやいや、もっと単純な理由があるはずです。彼女とタクロー君の自宅住所が違う理由が」
「…!そうか、なるほど」

 近づいてきた少女に、少年は切り出した。
「いいんちょ、あの……あのな。お前、最近引っ越した?」

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【NHD】『恐竜王子』5

2007年08月26日mixiより再録。
# # #

* * *
「閉鎖かよ。まあ客いないし、しょうがねえのか?」
「まあねえ。市民の憩いの場だから、残していこうって市民運動もあるんだけどねえ。遊具とか設備とかもずいぶん古くなってるし、事故のこともあってねえ……はい、ホットドッグおまち」
「おいおばちゃん」
「なんだい」
「2つあるのはいい。なんで片方黄色いんだ」
「サービスサービス。おばちゃんの愛情たっぷり?」
「うわぁ……」

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【NHD】『恐竜王子』4

2007年08月23日mixiより再録。
# # #

* * *
「おばちゃーん、ホットドッグくれ」
「はいよー、何本?」
「あるだけくれ」
「はいい?!」
「いやー、ちょっと聞きたいことがあってさ」

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【NHD】『恐竜王子』3

2007年08月22日mixiより再録。ネタバレあり。
# # #

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「図書室は収穫なしっス。ここんところ目立って恐竜の本を借りてる学生は小中高ともいねぇッス」
「今度は語尾が変ですよ」
「フヒヒッ、サーセン。腐女子の習性みたいなもんで生あったかく見守って欲しいッス」
「ぐぁー、めっちゃむかつくわあー!」

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【NHD】『恐竜王子』2

2007年08月20日、mixiで公開したものの再録です。基本ルール付属シナリオのため、ネタバレてますので注意。

# # #

# # # # #
 崩落した渡り廊下。瓦礫はとても重くて、私の腕では持ち上げられなかった。声をかけても、気絶しているのか子供たちの返事は無い。
「どうしよう、どうすればいいの?!」
「どけ」
 テツヤが無造作に瓦礫の中に踏み込んだ。
「足元悪いよ、気をつけて!」
「誰にモノを言っている」
 『透過』だ。ライトニングの物質透過能力で、テツヤは瓦礫を意に介さず中へ中へと踏み込んでいった。
「しかし、どこにいるんだか」
 瓦礫の天辺で黒い犬が吼えた。テツヤと目を合わせると、瓦礫の向こう側に駆け下りる。道案内するように。

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【NHD】『恐竜王子』1

2007年08月20日、mixiで公開したものの再録です。基本ルール付属シナリオのため、ネタバレてますので注意。

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 金銀妖眼の覆う空が単色の世界を私ごと飲み込み――

「オラァ起きろ引き篭もり」

 悪夢は担任の先生が破ってくれた。

 祖父のくれたマンション、その一室。では今の光景は悪夢か。寝巻きのままの私を、決していやらしい目で見ない山田先生は、引きこもりの私を社会復帰させてくれた、いわば恩人であり兄のような人である。

 生活感の無いわたしの部屋。父は無く母は出て行き、優しかった祖父は悪夢に飲まれ「祖父でないもの」に成り果てた。

 TVのコマーシャルが「新世代マシン」――ゲーム機ではないものだが専用ソフトは全部ゲームと言う不自然な存在――を売り出している。祖父を飲み込んだ悪夢は本質的な矛盾を抱えたまま、祖父の新型装置を認めない世界のほうを書き換えた。

「PSの後継機のことなんか忘れてXB○X36○買えよ」

 気を使って伏字で発音してくれる先生。悪夢狩人の先達でもある彼は、高校生活6年目になる引きこもりの私のようなダメ人間にも優しくしてくれる大変な人格者でもある。

 私はME。エムイーと発音して欲しい。戸籍上の名はクタラギエミだが、狩人と悪夢は私をそう呼ぶ。電子の妖精MEと。

# # # # #

* * *
「キモッ」
 テツヤはクタラギの大学ノートをテーブルに放り投げた。
「ああっ、あたしのネタノート……」
「すさまじい美化振りだ。クタタソ、よくまあここまで」
「いいじゃない妄想くらい何書いたってー!」
「痛い、痛すぎる……クタラギさん、そろそろ立ち向かわなきゃ現実に。6年も高校生やってんだから。それと、私は自分の生徒にこれ以上問題起こして欲しくないだけですからね」
「いいんだもん!成人してるからいいんだもん!おじいちゃんの財産で働かなくても生きていけるからいいんだもん!」
「20過ぎて『だもん』言うなこのピザがあああ!!」

 山田講師顧問の茶道部室は、今日の試験中に起きた事件――すなわち恐竜ぬいぐるみによる試験妨害の真実について真面目に討議されていた。山田顧問の言うところの『裏茶道部』。部員はノムラ・テツヤ、クタラギ・エミのふたりしかいない。

 彼らは20年の時を経て現れた新世紀の悪夢狩人、ナイトメアハンター・ディープルートである。山田顧問は20年暗躍してきた古参兵、ナイトメアハンター・レジェンドであり、彼ら若輩の教育係でもあった。

「この妄想日記になんの価値があるんじゃゴルァアアア!!」
「こういう夢みたんだもん!きっとナイトメアがあたしたちを狙ってるんだもん!ああっ、あたし今伝奇小説の『史上最高の超能力を秘めたヒロイン』的立ち位置?みたいな?的な?」
「……頭痛が……」

「ともかく、破壊したぬいぐるみは委員長のノートが化けていたものでしたから。ここに『復元』して持ってきたんですけども」
「シュレッダー片から復元したレシートやATM明細から生活情報をハッキング!それソーシャルハックの基本です!さっすが先生!」
「おめーと一緒にすんなっ」
「……それで話を続けますけどね。委員長、去年弟さんを亡くされてるようですね」
「うわ重っ。っていうか関係あるのかそれ」
「わかりません。ですが『恐竜のぬいぐるみが自立行動して生徒に襲い掛かる』という奇妙な事象が起きたのは確かで、これを私はナイトメアの仕業と考えます」
「先生、それはまさかナイトメアの現実改変?!」
「また知ったような台詞を……」

 窓ガラスが振動した。細かく振動していたものが、ついに臨界を越えて3人の注意を引いた。何気なく窓を見る3人。

 そこには、学校の校庭には巨大な雷竜が何頭ものし歩いていた。二重写しのように薄れたりぼやけたりしながら、しかしますます実在感を強めていく。見る間に実体化した恐竜たちは校庭へりの木や遊具を押しつぶし蹴り倒し、悠然と校舎と体育館の方へと歩み寄る。

「な……あ、やべえ、そこの!逃げろ!」
 テツヤは見た。恐竜が勢いで押しつぶしそうな渡り廊下に、怖いもの見たさで高等部の校舎までやってきていた初等部の子供たちの姿があるのを。
「!!」
 半透明の恐竜が渡り廊下を叩き壊すのと、テツヤとエミが弾かれたように駆け出していくのはほぼ同時だった。

* * *
(続く)

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【迷キン】『ウィキッド・ドレイン』4(了)

2007年07月30日、mixiで公開したものの再録です。ネタバレてますので注意。

# # #

* * *
マリィ「フフフ、そんなところから現れるとはねぇ?しかしお前たちを殺せば王国は我らのもの!」
オルガノ「マリィ、気を確かに持て!お前は操られているのだ!」
GM「済んだかね?」
PL「やり遂げました」

戦闘開始☆!

クスクス「鉄砲、たー!」
ファンブル★→結果:アイテム1つ破損
クスクス「ああーっ、大事なポーションがー!」
ニャルラ「やむを得ません、【信仰】でなんとかしましょう」

 盗賊は前進してきたグレイを集中的に攻撃して、ひとりずつ確実に倒す作戦を取った!あげく!
マリィ「結局、お前たちも捨て駒……!【深魔法】!」
盗賊1「ぎゃー!」
オルガノ「なんだ?!なにが起きている?」
クスクス「味方のHPを気力の代わりに使用する、深人の闇の力です!マリィは間違いなく深人にのっとられています!それより、気力を使うような大魔法がきますよ!!」
グレイ「な、なんだってー!」
マリィ「【流れ星】!!」
グレイ「ぎゃー!!」

エクレール「グレイ!グレーイ!」
グレイ「ふ、危うく死ぬところだったがもう大丈夫」
オルガノ「おお、それでこそ社会主義国家の英雄!してその自信のわけは!」
グレイ「ついにこの【甲冑】の出番が来たようです!」
全員「「「最初っから装備しておけー!!!!」」」

オルガノ「ええい、手が足らん!私も打って出る!」
 疫病ネズミのお宝としてゲットした【戦斧+1】!いまこそお前の出番だ!
オルガノ「民の声が私を突き動かす!これが世界の選択だー!」
 命中!斧は深々と盗賊を切り裂いて
マリィ「【転送】★」
 傷口が召喚術で私の身体に転送された。
オルガノ「おぶわぁー!切り殺したと思ったら、切り殺されていたのは私のほうでしたぁーーーー!!!」
クスクス「ああっ、書記長!立って!立ってください!みんな応援しています!」
 HP1でようやく死を免れる私。
オルガノ「こ、こらー!魔法とか卑怯だぞー!」
マリィ「煩い。お前が立ち上がったのはどうやら後ろの神官のおかげのようね。それならば」
 再び仲間の命を犠牲とした【流れ星】がニャルラトテップを襲う!
クスクス「神官様ー!!」
ニャルラ「エクレール…受け取って…ください…私の…好意:忠誠1…」

エクレール「よくも!」
オルガノ「エクレール!酒を持っているニャルが倒れた以上、マリィを今救う事はできない!命ずる!マリィを討て!」
 勅命を下すのと次の攻撃が我が命運を絶つのがまあ同時だったと思われる。
エクレール「人民よ!革命よ!我に力を!【首切り】!」

roll is hit! : kubikiri is :4 3 2 5 5 6

PL「民の声全部使って6デター!」
GM「だから【首切り】キライなんだよなー」

 マリィの首筋を『死ねるギア』が切り裂いて、
 マリィと深人が融合を解きながら倒れ、

エクレール「まだだ!お宝から治療アイテムが出れば誰かの命は救えるかもしれない!」
グレイ「おお運命よ、私は彼女たちの命が助かるなら男を断ってもいい!」

 結局、世の中はそんなに都合よくはなく。

 私とニャルラトテップとマリィはもの言わぬ死体として帰還した。

* * *
 以後は私の出発前の演説である。

「ここに社会主義連合王国の礎たる【大通り】が完成した!ここが諸君らの魂のゆりかごであり墓場である!

 ここからあまねく百万迷宮にゾンマーと井上純弌の愛を平等に再分配し、志半ばに力尽きたものは赤いレンガに名を刻まれて大通りの一部となろう!

 そして大通りが一人ひとりの目的地に到達するたび、君たちの革命もまた新しいステージを迎えることになる!目標を達成したものは友の目標を達成する手助けをせよ!

 さあ、立てよ人民!君たちが目指す目的地に向けて、前進!前進!前々進!!」

 まあ私とニャルラとマリィのレンガが大通りに加わっちゃったわけですが。

 おねえちゃんか妹が武者修行の旅から帰ってきてくれたら王朝の助けになるんだけどなー。誰が次の書記長になるのかは、もうキンギョの餌になった私には関係ないわけだけど、国のみんなが迷宮の片隅でも幸せに暮らせるなら、どんなホラだって許されると思うんだ。

 そろそろ時間みたい。

 エクレール、あとはお願いします。グレイ、あなたと夫婦になってくれる女性のいることを祈っています。クスクス、広い百万迷宮には性別の壁を越える方法があるはずです。そのままで思いを遂げようというのなら止めはしません。やっちゃえゴー☆

 63人の人民たちに井上純弌の祝福あれ!

* * *
(了)
* * *
 という。いやー面白かった。是非続きをやりたい。他のみんなの意見もよろしくですよー。
# # #
(追記)
>PL「民の声全部使って6デター!」
>GM「だから【首切り】キライなんだよなー」
【首切り】は《気力》消費じゃったのでした。合衆国プレイ時にUSAくんから指摘されたんじゃよ?
# # #

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【迷キン】『ウィキッド・ドレイン』3

2007年07月30日、mixiで公開したものの再録です。ネタバレてますので注意。

# # #

* * *
 しばらく進むと、男の死体が吊り下げられていた。そこには無数のネズミが集っており、中でも大きい数匹が我々に襲い掛かってきた!

オルガノ「気をつけろ!疫病ネズミにかじられると腫れるぞ!」
ニャルラ「なにがですかな」
オルガノ「乙女の口から言えるかバカモノー!」

 なにぶん数が多くて苦労する我が人民代表。
オルガノ「致し方ない、下がれ二人とも!爆弾で一掃する!」
エクレール「前線に砲兵支援?!おやめください書記長、友軍の撤退が間に合わない恐れがあります!」
クスクス「なんで独ソ戦線風なんですかー?」
ニャルラ「すいっ」←(撤退した音)

 爆弾ぽーい。炸裂する新型爆弾。巻き込まれる騎士グレイ。
 ダメージ……2点。疫病ネズミたちのHP……3点。

 3-2=1

グレイ「わああああああああ」
オルガノ「ああっ、撤退し損ねたグレイがネズミとあんなに仲良く!」
クスクス「あれは違うと思いますよー」
ニャルラ「しょうがないなあ、《信仰》ー!さあ皆さんご一緒に」
信徒たち「いあ!ないあーらとてぷ! ないあーらとてぷ くふあやく ぶるぐとむ ぶぐとらぐるん ぶるぐとむ あい!あい!ないあーらとてぷ!」

 『星の智慧派』の宇宙的知恵にのっとった科学的祈りにより、我々の傷は癒され、ネズミたちを撃退することに成功した。

オルガノ「やれやれだ。さてエクレール、死体にはなにかあったか」
エクレール「今回の事件とは関係ないようですが、【ポーション】と【お酒】を持っていました。あと日記ですね。【情報】4つ分です」
オルガノ「ポーションは誰かが持っておけ。お酒は……気力の必要なものはいるか?」(ちゃぽちゃぽ)

 とたん、ネズミたちの怨念が、酒を手にした私の身に襲い掛かった!
グレイ「ああっ、書記長の姿が黒丸3つを基本にした有名な二足歩行ネズミの姿に!」
オルガノ「手がー!手が四本指にー!」
クスクス「どこからともなく陽気なテーマソングが!」
エクレール「このままではネズミーランドからの弁護士が多額の著作権使用料を請求に来てしまう!」
オルガノ「どどどどうすればいいのだ!?」
ニャルラ「しょうがないなあ、オル太くんは。【お守りエルダーサイン 】ー!」

 『星の智慧派』の宇宙的知恵にのっとった科学的呪い撃退アイテムにより、ゲーム中モザイク状態という悲劇は避けられた。
ニャルラ「普段触らないものを触ったので疲れました。書記長、お酒は私にください」
オルガノ「うむ、褒美である。ありがたく受け取るがよい」

* * *
 南に進むと、『あくた河の主クネクネのへや』とあった。だが「北東の部屋には10体ものモンスターがいました」という斥候の情報から、本命はそちらと思われたので、あえてこちらを探索することにしたのである。
オルガノ「たのもー!」
クネクネ「だあれー?」
 ヘビ人間だった。尻尾のはみ出た謎のお茶を振舞われる我々。
エクレール「アバ茶……!」
ニャルラ「我々は社会主義連合王朝の人民代表部隊ですよ。これこれしかじかで、国を荒らすヤツラの正体を探りに来たのです」
クネクネ「それは多分北東の部屋の盗賊団ねー。なんか若い女が率いてるんだけど、あれはきっと深人に取り付かれているんじゃないかしらー?」
クスクス「そ、その女性のことをもっと詳しく!」

 情報を総合するに若い女というのはどうやらマリィっぽい。

オルガノ「たしかに出発の際、見送りの中に彼女の姿はなかったな」
クネクネ「お酒ぶっかけて彼女から離れろっ!ってやれば融合は解けるわよー」
ニャルラ「実に有能な君を我が国に人民の一員として迎え入れたいのだが」

 こうしてクネクネも我が国の人民名簿に名を連ねることとなった。書記長とは党員名簿・人民名簿を支配する書記の長であるから偉いのである。

エクレール「では今日はここで休みましょう。……迷宮化現象?!」←探索休憩表で引いた。全員に2d6ダメージ
全員「うわああああああ」
エクレール「みんな気をつけて!スタンド攻撃です!」←ひとりだけ判定に成功し、ダメージを受けなかった
グレイ「ちょーっとだけ警告が遅かったかな」
エクレール「すみません。せめてもの詫びにここは私の【フルコース】をお召し上がりください」

roll is : 2
クスクス「お、おいしーですね!ね!みなさん!」
エクレール「気を使わないでくれていいの……」

* * *
 
 手前の部屋に戻り、一休み。長い探索行に全員の疲労もだんだんと色濃くなってきた。

オルガノ「聖人バッシュの加護でワンダリングは出ないですんでいたが」
グレイ「一度現れたごんぎつねも配下に加わってくれましたしね」
ニャルラ「ではここでキャンプなど張って、皆様同士交流を深めるとしましょう」←魅力休憩表9。全員、好意を持つ相手を指定する。指定されたものは気力が回復するが……

 さっそくキャンプ内で人民を交えてお茶会が始まった。普段の「糧食を取り休養をする」だけのキャンプと違い、いかにもくつろいだものである。

オルガノ「ところでグレイ、貴殿の趣味の件だが」
グレイ「ななななんのことやら。それはそうとエクレール殿は、どうして私がクスクス殿と話しているのを毎回毎回邪魔するのですか?彼女は私が唯一と言っていいほど心安らぐ『女性の』話し相手なのですぞ」
エクレール「さあクスクス、あんなことを言っていますよ。これ以上誤解が深まらないうちにはっきり言っておやりなさい、それが優しさというもの」
クスクス「ああ、グレイさま……お慕い申しております(ぽっ)」
グレイ「クスクス殿……」
クスクス「グレイさま……」
オルガノ・エクレール「はいっふんぐるいー ふんぐるいー もっさもっさのふっさふさー」

グレイ「だからどうして邪魔をするのですか!」
オルガノ「うるさいうるさいうるさーい!非生産的恋愛など認められーん!子供が作れるようになってからで無ければラブコメ空間の使用は許可しない!」

エクレール「クスクスの故郷は天使に滅ぼされたのでしたね」
クスクス「はい、やってきた二人の美しい天使を巡って国が割れるほどの騒ぎが起きましたのが事の発端でした。『だれがその美しい男たちをもてなすか(性的な意味で)』で上を下への大騒ぎに」
オルガノ「そんなおちんちんランド、滅ぼされて当然だ」

ニャルラ「(誰も……話しかけてこない?!)」
オルガノ「ああ、そうだニャルラトテップ」
ニャルラ「?! はい、なんですか書記長(笑顔)」
オルガノ「そっちのカップもって来てくれ。いいかグレイ(立ち去りながら)」

ニャルラ「(この親睦会を企画した私を…蔑ろに!)」←オルガノへの敵意:怒りが1上昇

エクレール「まあ、焚き火の炎がどす黒く強く」

* * *

オルガノ「では作戦を発表する!目的地と思われる迷宮部屋まで2部屋、ただしここから北東方面である。斥候の情報では手前の部屋はトラップしかない。したがって斜めに進軍できれば時間と戦力の節約になる!ちょうど4時回ったくらいだし!」
グレイ「メタな発言だなー」
オルガノ「したがってアレを使用する!」
エクレール「ええっ、アレを?!」
ニャルラ「アレの封印を解くときがきたのですね」
クスクス「……!」(自分をぎゅっと抱きしめる)
(CMはいりまーす)

(CM明け)
オルガノ「したがってアレを使用する!」
エクレール「ええっ、アレを?!」
ニャルラ「アレの封印を解くときがきたのですね」
クスクス「……!」(自分をぎゅっと抱きしめる)
オルガノ「クスクス!おまえの【もぐら棒】で埒を明けよ!」
クスクス「……御下命とあれば、よろこんで」

 クスクスのもぐら棒は、彼女が故郷脱出の際に持っていた数少ない形見の品だ。彼女のメイド服も、もとは亡命の際、お付きのメイドが
「若、お逃げください!私の服を着て!」
「き、きみはどうするの?」
「私は若の服を着て行きます!」
「お、おとり?そんなのいけない、だめだよ!うっ…!」
「お許しください、若様。若様はおちんちんランド復興のためにはなくてはならない方。どうかご無事で」
みたいなドラマがあった結果らしい。詳しくは知らないけど。
 それと彼女の【だんびら】と【もぐら棒】、これが彼女の故郷を偲ぶ数少ない私物だったのである。私も彼女がよくもぐら棒に
「聞いて、もぐら君。今日グレイさまがね」
「あのね、グレイさまったらね」
「グレイさまに恋文を届けてって頼まれちゃった。どうしようもぐら君」
とかやってる所を見たことがある。……うん、いい機会だな。

エクレール「見るに耐えません。ちょっと声をかけてきます」
 う、うむ。書記長としてちょっと気にしないこともないのだ。落ち込みすぎてないかどうか見てきて欲しい。
 なにせもぐら棒は1回使うと先っぽのもぐらが絶命してしまうという、とても儚いアイテムなのである。

エクレール「クスクス、もぐら棒の犠牲は無駄ではない。どうか気をしっかり持って」
 ごとん
 ごごごごごご
エクレール「あれ?」
オルガノ「あ」
グレイ「げ」
ニャルラ「あーあ」
 探索休憩表・12。「秘密の扉を発見する」。隣の部屋……すなわち目的の部屋までの隠し通路が現れるのと、もぐらがやり遂げた漢の顔で息絶えるのが同時だった。

 もぐら棒、超無駄死に。
* * *
(続く)

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【迷キン】『ウィキッド・ドレイン』2

2007年07月30日、mixiで公開したものの再録です。ネタバレてますので注意。

# # #
「オルガノ書記長の声は釘宮理恵でお願いします」
「馬鹿がおるぞ」

「クスクスはメイドだけど実は男の子だったりするのかな」
「なぜそれを?!」
「分かる、分かるのだ!いま根尾演神と俺のARMSが共振した!さあ、キャラシートに『こんなに可愛いのについてないわけないじゃない』と書くんだ!」
「馬鹿がもうふたりおるぞ」

「あ、好きなもの/嫌いなものに『同性』が出た……好きなもの:同性、と」
「グレイ様……(ぽっ)」
「馬鹿キター」

「ニャルラトテップの感情は……忠誠をエクレールに、か。じゃ旧神の封印を解いてくれたのがエクレール」
「うわあ、馬鹿ばっかりだ!」

* * *
 さらに我が国のすばらしさについて語るとしよう。我が国は、誇りある国旗にも記されているとおり、夏星の多く産する地である。革命の血を表す赤に、燦然と輝く星のなんと美しいことか(うっとり)。ともあれ、大災厄以前に革命の同志が打ち立てた理想郷「おろしや国」にもなかった“夏”があるのだ。これをすばらしいと言わずになんというのか。

 また、キンギョの養殖も盛んである。うち、もの言う獣となった知性あるキンギョ5匹は、我が国の大事な人民に数えられている。ちゃんと人民名簿にも名前が載っているぞ。

 とまれその日、「元老院」で娘の悲鳴が上がった。ここ最近、王国内で盗みが頻発しておったので、「赤の広場」の人民代表会議が、その議題で大変に盛り上がっていた矢先のことだった。
オルガノ「む、絹を裂くよな女の悲鳴。元老院め、セクハラが過ぎる」
クスクス「違います、きっともっと大変なことが起きた悲鳴ですよあれは!」

 教室ほどの広さの「赤の広場」は、中央に敷かれた緋毛氈とちゃぶ台で作られた「人民代表会議」の会議場でもある。ここから通路で繋がる1つ向こうが、老人会にして老人の知恵を書物に編纂する場所「元老院」である。すばやく立ち上がったクスクスを先頭に、われわれは悲鳴のもとへと駆けつけた。

 そこには、無残に焼け焦げた老人の死体と、腰を抜かしガタガタ震える若い娘がいた。元老院の偏屈どもを世話しているマリィだ。
オルガノ「この死体……父上であってくれればよいのだが」
エクレール「書記長は本当に裏表のない方だ」
 残念ながら死体は父上ではなく、老人会の一員で、不幸にも事件に巻き込まれたということらしい。

オルガノ「とにかく犯人を見つけて処刑しよう」
クスクス「処刑は決定事項なんですかー?!」
ニャルラ「書記長、キチンと裁判をしてから処刑しなくては」
エクレール「早く処刑場を建設したいですねー」
クスクス「やっぱり決定事項なんですねー?!」

 人民たちの不安が高まるなか、我々は王国を隈なく捜索した。結果、元老院の床に、マンホールなる下階への入り口を発見した。賊はここから王国に侵入したらしい。我々はランドメーカーとして探検隊を編成し、この未知なる階層へと歩を進めることとした!

オルガノ「配下は全員6名とする!平等だ!」
エクレール「『平等と!再分配!』ゾンマー万歳!井上純弌最高!」
クスクス「ゾンマー主義ってなんですか?」
エクレール「聖典『エンゼルギア』で語られた、神の愛を人類の知恵で“平等に再分配”する革命的思想を言います。また聖典は、対天使格闘法についてもページを割いているのです。聖典の武具に倣って、私のシュリケンはハグルマ型。名は『死ねるギア』」
ニャルラ「わっはっはっ」←(受けたらしい)

* * *
 一部屋目は西から東に流れる巨大な下水路だった。壁におおきく『あくた河』とあった。どうやらこの下水路の名前らしい。マンホールのハシゴは通路南側に下っており、北側にも狭い通路が見て取れた。

エクレール「ここは斥候の報告によるとなにもありません」
オルガノ「うむ!でも北側になにか情報があるかもしれない!下水を飛び越えるのは危ないから、エクレールひとりで探索に行ってくれ!」
エクレール「ええー」(しぶしぶ)

オルガノ「どうだー?なにかあったかー?」
エクレール「なにもありませーん」
オルガノ「仕方なーい、ここでキャンプを張ろーう!無理に戻ってくるのは危ないから、エクレールはそっちでテントを立ててくれー!ひとりでー!」
エクレール「(溜息)」

オルガノ「エクレール!寝たかー!退屈してないかー!もし寂しかったらカードゲームをしてもいいぞー!」
エクレール「(就寝前の読書を中断させられてイラっ)もうちょっと探索してみますのでー」

オルガノ「なんと任務に真面目な人物であることか。戻ってきたら飴をやろう」
エクレール「(うんざりしながら)……みつけちゃいましたー、トラップ【エレベータ】でーす」
オルガノ「やはりか!だがトラップなら致し方ない、放置して先に進もう」
エクレール「(小声で)なにも無いって報告したでしょ、これは今探索したから迷宮化で生えたのよ!探索しなければ出現しなかったのよっ」←オルガノへの敵意:怒りが1上昇

* * *
(続く)

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【迷キン】『ウィキッド・ドレイン』1

2007年07月30日、mixiで公開したものの再録です。
公式シナリオのネタバレがありますので、以後プレイ予定がある方は読まないほうがいいでしょう。
# # #

* * *
 王国の名は「社会主義連合王朝」。私のことはオルガノ書記長と呼ぶように。我が国はゾンマー主義の“平等と再分配”を合言葉に、開祖ジュンイッチー・イノーエーの聖典『エンゼルギア』を手に、革命の剣もて夏星の光を迷宮のすみずみまであまねく照らさんとする理想の元に建国された革命的国家である。
 我が頼もしき人民会議代表は次の通り。
“虫も殺さぬ”エクレール(ニンジャ/処刑人)♀
“喉から手が出る”クスクス(従者/狩人・博士)メイド服だが♂
“死人に口なし”ニャルラトテップ(神官/処刑人)♂
“七転び八起きの”グレイ(騎士/なんだっけ)♂
である。

 エクレールはゾンマーの理想に身を捧げし修道尼僧である。彼女の率いる調和委員会は別名特高とかKGBとか呼ばれているがオルガノなんのことかわかんない。

 クスクスは4迷宮単位東の今は無き王国の忘れ形見である。その王子は、亡国の難に当たって侍従であるメイドから、その衣装を借り受けてはるばる我が国にたどり着いた。いまはメイド服姿もすっかり身についた可愛らしい侍従であるが、これだけ可愛いと『こんなにかわいいのに付いてないわけ無いじゃないか!』とか言い出す奴がいるから困る。彼女を性的対象に取る奴は粛清対象である。

 ニャルラトテップはエクレールが天使のもとから救い出した受難者である。なんかエクレールが天使をブッ締めたとき、偏四角多面体に囚われていた彼を助けた縁で、以後ニャルラトテップはエクレールに大変な恩を感じることになったらしいと聞いている。彼の伝道する『星の智慧派』は、大変に実践的かつ科学的であり、神はいないと断ずる社会主義思想とは大変にウマがいいと勝手に思っている。まあ彼とやりあった光の天使というのも“ジュワッ!”とか“ヘヤァ!”とか叫ぶ大変に凶暴なヤツラらしいので、このへん、天使を国敵と見做す我らと意見の一致を見るところである。

 グレイは我が国一の美男である。問題は、彼が家庭を設ける事を夢見ているが、その実オトコノコが大好きという大変に非生産的な男子であることである。国民総数60名と言う弱国の立場において、美男でありながら男色家であるなどという非繁殖的存在は許しがたい。まあ両刀っぽいので粛清はちょっと様子見である。最近、女装美少年であるクスクスと妙に仲がいいので、グレイのファンである妙齢の女性国民十数名のためにも、彼らの逢瀬はひたすら邪魔する必要があると考える。

 父を元老院に封殺し、国の実権を握った私は、まず人民のために「大通り」を3つ作成した。予算は前々王朝ロマノフの遺産5MGである。これは散策判定を人民代表がするという私的目的のためではなく、毎年軍事パレードを行う必要性のためであり、またここから社会主義国家が百万迷宮をゾンマーの英知によって照らすであろうという最初の一歩に相当する事業としての必要な公共事業規模の最低予算枠にかかるものなのである。できれば転職所とか作りたかった。

 我が国はまた狩場「シベリア」や特産品原料「年寄り」などを持つ存外に豊かな国家でもある。しかし元老院の存在を考えるにつけ、「年寄り」を基礎に算出する特産品は「情報」などでなく「肉」や「皮」にすべきだったと反省する毎日である。何かにつけ掣肘する元老院=父の存在は、いまやガマンならぬ就眠時の蚊の幽霊みたいなもんなんである。いっそ除霊したい。

* * *
(続く)

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TRPGリプレイ分岐用

トップからの分岐用記事。

D&D(『赤い手は滅びのしるし』以外)はこちら。

『スティリッチ侯国にて』(アローナ急行後日談/約2ヵ月後)