【D&D】『赤い手は滅びのしるし』23・21日昼 死霊王の獅子窟(3)
* * *
さらに奥へ。
「狭い。《エンタングル》使いたい。外出たい」
狭い通路で窮屈げなコンボイの背で、クロエがぶつぶつ言いっぱなしです。周囲には絶えず半透明な獅子の影。
「実害はないとは言え、たまらんなこの幽霊の数は」
たしかに。現世との意思疎通も図れないほどに朧な霊ですから、監視の役すら果たせないのでしょうが、それにしてもこの数はちょっと不自然です。
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さらに奥へ。
「狭い。《エンタングル》使いたい。外出たい」
狭い通路で窮屈げなコンボイの背で、クロエがぶつぶつ言いっぱなしです。周囲には絶えず半透明な獅子の影。
「実害はないとは言え、たまらんなこの幽霊の数は」
たしかに。現世との意思疎通も図れないほどに朧な霊ですから、監視の役すら果たせないのでしょうが、それにしてもこの数はちょっと不自然です。
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近づいてみれば獅子窟は、見上げると首が痛くなるほどの大きさ高さがありました。
周囲には、怨念とも残念とも言える程度の獅子の霊たちが大量に、そこかしこに歩き、飛び、わだかまっています。
「どの幽霊も現世に影響を与えるほどの力はないようですが……なかには悪霊になっているのもいそうですね」
「幽霊、コンボイの爪が当たらないからキライ」
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(良し月、7日。日記20日目)
辿りついた荒野は、私たちの想像を絶する場所でした。
「……」
「うむむ、これは……」
「岩砂漠の迷路、だな、うん」
丘をいくつか越えた先に見えてきたのは、不毛の大地。奇岩、磨岩がいくつもそびえ、はるか向こうまで広がっています。もう少し高い場所から見れば、きっと“いばらの荒れ野”は、酷く乾燥したパンの表面のように、茶色い大地が網目状にひび割れているのに違いありません。
* * *
(良し月、5日。日記18日目夜)
就寝前、テレルトンからアリリアさまに向けて、《送信》の呪文でいくつかの情報をお送りしました。
テレルトンまでは敵の到達していないこと。あかつき街道ぞいの住人の避難は順調なこと。“アローナ急行”はこれから荒れ野へ向かうこと。遊撃している敵兵が手強いため、先に約束した《送信》は3日に1回にすること。
以上を、ブリンドルのジャルマース卿にお伝えいただきたいこと。
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